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サラリーマンの読み物

できるだけ残業を少なくして、自分の人生を楽しむための方法をサラリーマン20年の経験からお話します。

決してニュースになることはなかった中年デザイナーの過労死

5年ほど前、知人のデザイナーが心筋梗塞で亡くなりました。

45歳だったと思います。

10年ほど仕事お世話になっていましたが、ちょっとした会社の事情により、彼と仕事をすることができなくって1年ほど経過した頃の突然の訃報でした。

 

葬儀にはデザイナー仲間や、彼にいつも無茶なお願いをしていた自分のような発注者である印刷会社や広告代理店の営業が集まった、ひっそりとした葬儀でした。

 

彼は良い意味で人が良く、悪くいうと押しに弱いタイプでした。

目を見張るようなデザイン力はありませんでしたが、その「使い勝手の良さ」から、たくさんの仕事をしていました。

いつも忙しく、故郷にも殆ど帰ることができないとぼやいていることがありました。

 

自分も平気でお願いしていました。

「明日の朝までにお願いします」と夕方に。

「休み明けまでにお願いします」と金曜日に。

ただある日、彼が大きな体を屈めながら、必死で校正紙を切っている姿を見て、なんとなく彼に無理を言う気がしなくなりました。

 

独立した頃は、それなりの収入もあり、彼は若くしてマンションを購入することができたそうです。

しかし近年はデザイン料金は下落の一方です。

そのマンションを維持するためには、沢山の仕事を受け続けなければなりませんでした。

彼が仕事を断らないのは、押しが弱いという理由の他に、生活のためにという理由もあったのでしょう。

 

亡くなる前の数日間も、彼はいつものように、いや、いつも以上に無茶振りをされていたようです。

殆ど寝ることができなかったというような話を聞きました。

 

とにかく急いで、正確なものを、安い料金で。

こればっかりです。自分も含めて。

 

今回世間を騒がせている若い女性の過労死ニュースを見て、ふと彼の事を思い出しました。